東北大学の計測機器から創出されるデータの登録に関するガイドライン

ARIM事業班で提供している東北大学の計測装置は熱分析装置、エックス線回折装置、集束イオン加工ビーム装置、透過電子顕微鏡などに分かれ、同一装置でも使用目的によって創出されるデータの質や量が異なります。ここではそれぞれの装置を用いて得られたデータを登録される際に知っておいていただきたい内容の要点を抜粋してご説明いたします。詳細はガイドラインをご覧になって登録前にご確認ください。

ご提供いただく生データと事業側によって変換された「構造化データ」の内容の対比は装置毎にこのホームページでご紹介いたしますので、実験後にデータを登録されるか否かのご判断の検討材料とされてください。

以下に述べるデータ登録ならびに三段階の料金設定は7月より実施いたしますが、実際に 7/1 からARIM事業センターハブにデータ登録できる装置はエックス線回折装置です。その他の装置については現在、アップロードとデータ変換の準備中で、この準備が終了するまでは私ども実施機関が登録データをお預かりすることをもって、「データ登録有」の料金を適用させていただきますことをご了解ください。

1.  共通事項

1.1 装置利用の目的と登録データについて:装置利用が試料加工や予備観察のように最終的なデータに至る途中段階と、透過電子顕微鏡のように最終段階とでは登録データの内容と量は異なります。

1.2 付随的なデータ(メタデータ)について:材料に関する情報入力は必須です。ARIM事業で提供する材料インデックスから適切なキーワードを選択していただきます。一方、測定条件に関する情報は生データに含まれている場合が多く、追加入力は任意です。

1.3 データ登録の具体的方法:ARIM事業班で準備しているサーバーから直接センターハブ(NIMS)のサーバーにアップロードします。

1.4 その他:ARIM事業班で管轄している装置群ではマシンタイム毎にデータ登録の有無を選択できます。詳細はこちらのページをご覧ください。

2.  熱分析およびX線回折装置

一日のマシンタイムの 60%以上(ファイル数)を目安にデータのご提供をお願いします。(装置の調整(温度校正やアラインメント)以外のデータを登録願います)

3.  集束イオン加工ビーム装置および走査型電子顕微鏡

3,1 TEM試料作製や他の測定のための加工装置としてFIBを用いる場合、加工状況がわかるデータを数点ご登録ください。

3.2 シリアルセクショニングやSEMとして、得られるデータが最終的なものである場合、一日のマシンタイムの 20%以上(ファイル数)を目安にデータのご提供をお願いします。

4.  透過型電子顕微鏡

4.1 全体像がわかる画像データを最低1ファイル含めてください。

4.2 お使いになるマシンタイムが画像取得や分析など、複数の技法から構成される場合、それぞれのデータを含めて全体で、一日のマシンタイムの 20%以上(ファイル数)を目安にデータのご提供をお願いします。

5.  その他の装置群の取り扱い(データを創出しない装置群)

主に試料作製のために補助的に用いられる装置はデータを創出しない装置と位置づけ、データ登録の必要はありません。

6.  マシンタイムの選択と装置利用料金

全国のARIM事業参画機関ではデータ登録の有無によって装置使用料金が異なる体系を設定しています。本学ARIM事業班で扱う装置群に関してはマシンタイム毎(日ベース)で装置使用料金を選択できます。詳細はこちらのページをご覧ください。

7.  登録データの選択について

上記 3.2 および 4.2 におけるデータ選択は利用者の方に委ねられています。登録データが多くの方々にとって有用なデータベースとなるようなご配慮をお願いします。

8.  過去のデータの登録に対する奨励制度(7月中旬以降、実施予定)

東北大ARIM計測分野では、論文や特許等が公知されたことにより、過去の共用事業により得られた未公知のデータを同一研究グループが新たに登録される場合、この分野で提供している装置の利用料金を一日分無料とする制度を運用する予定でいます(データ登録奨励制度)。いくつかの条件がありますので、ガイドラインの第8項もしくはこちらのページをご覧になってください。(この制度は現在、最終調整中です。施行が決定した時点で改めてアナウンスいたします。)