材料の解析手法と装置について

一口に材料の分析・解析といっても世の中には無機物(金属や酸化物、半導体など)や有機物(生体からプラスチックまで)など多種多様の物質があります。金属一つをとっても、その解析手法は組成分析から結晶構造の同定、そして金属組織の分類まで、多岐にわたっており、目的に応じた装置を選択することが大切です。

私たち、ARIM事業班で直接扱っている装置群は主に無機材料の結晶構造、組織、元素分布などをマルチスケールで調べるためのものです。一方、理学研究科でARIM事業に提供している装置群では高分子化合物の構造や組成を測定できます。

顕微鏡:光学顕微鏡をはじめとするレンズ系の組合せで実像を観る方法と、集束された電子線などを走査することによって発生したシグナルと同期させる方法に大きくわかれます。

集束イオンビーム加工装置:Gaなどのイオンビームによってサンプルを微細加工する装置です。様々な加工だけでなく、透過電子顕微鏡の薄片試料も作成できます。

回折機器:エックス線や電子などを試料にあて、多数の原子からの散乱波の干渉により、原子配列を解く手法です。

熱分析機器:物質の比熱だけでなく、昇温・降温中の構造変化や酸化還元反応などを熱量や重量変化を通して調べる手法です。

核磁気共鳴装置:ラジオ周波数領域の電磁波の吸収スペクトルを解析することで、原子核の電子状態に関する情報を得、化学状態や分子構造を調べる手法です。

各種元素分析装置:元素を同定するためには様々な手法があります。ARIM事業では物質をプラズマ状態にし、その発光スペクトルから元素を同定する方法や、質量を測定することにより元素を識別する方法などを提供しています。

全国のARIM事業で提供してるすべての装置はプルダウンメニューの一番下のタブから検索できます。