公開・非公開課題と料金体系

ARIM事業班では解析機器の装置共用を行っているとともに、得られたデータを利活用できるシステムづくりのお手伝いをしています。装置の使用料金は (i) 装置利用を公にするか否か、(ii) データを提供するか否か、に基づいて区分されます。前者は装置利用のための課題申請の段階で選択されますが、後者は次に述べる成果公開型課題における一つ一つの実験によって選択できます。

成果公開型と成果非公開型課題:二つの課題体系この事業の前身となる文科省ナノテクノロジープラットフォーム事業では、装置をご利用していただいたことを利用報告書として記録に残す課題が基本でしたが、ARIM事業でも同様で、これらは成果公開型課題と呼ばれています。一方、この事業班ではARIM事業においては大学の自主事業として位置づけられている非公開型のご利用も受け付けています。(成果非公開型課題)

成果公開型課題においてマシンタイム毎に選択できる二つの料金体系:一つの課題を実施するためには複数の装置が複数回用いられるのが普通です。成果公開型課題では同一課題同一装置であっても、データ提供を伴う実験に関しては割安の利用料金が適用されます。これは提供していただくデータの価値を考慮してのことです。それぞれのマシンタイムによって得られたデータの提供の有無によってそのマシンタイムに対する装置使用料金が異なりますので、ご注意ください。

利用報告書:成果公開型課題では、一つの課題ごとに共用装置の利用実績を「利用報告書」として提出していただきます。これは装置利用の報告であって、研究成果の詳細ではありません。この課題を実施する社会的意義と、装置使用の理由等を述べたうえで代表的な結果を説明していただければ十分です。利用報告書の提出をもって成果を公開したとみなされます。

成果非公開型課題:この課題では、利用報告書の必要はなく、また文科省への報告も件数として数えられるだけで、申請者名、課題名など、内容にかかわる情報はすべて公にはされません。さらに必要に応じて秘密保持契約書を締結することも可能です。(秘密保持契約書はナノテク融合技術支援センターではなく、課題を実際に実施する部局との締結となります。)しかしながら、大学の装置は国民の税金によって設置・維持・管理されていますので、ナノテクセンターによる適切な審査により、東北大学で実施する課題として採択されることが前提となります。